1冊分が書けない?  Kindle出版を成功させるための突破口

「本を1冊書きたいけれど、どうしても書けない……」そんな悩みを抱えている人は少なくありません。「書くことが浮かばない」「途中で手が止まる」「この内容で本当にいいのだろうか」と、自信が持てずに立ち止まってしまうこともあるでしょう。しかし、書くことは難しく考える必要はありません。正しい手順を踏みながら少しずつ進めていけば、1冊分の原稿を完成させることは十分に可能です。

読者は「たった1人」に絞ることから始めよう

まず、書き始める前に最も大切なのは「誰に向けて書くのか?」を明確にすることです。よくある失敗は「多くの人に読んでほしい」と考えてしまうこと。対象を広げすぎると、伝えたいことがぼやけてしまい、結局は誰の心にも届かない本になってしまいます。

だからこそ、「たった1人の読者」を想定するのがポイントです。その人が抱えている悩みや課題に寄り添い、「その人のために書く」という気持ちで取り組んでみましょう。例えば、「20代で仕事に悩んでいる男性」や「育児と仕事の両立に苦しんでいる30代のママ」など、具体的に想像することで、書く内容がぐっと具体的になり、自然と筆が進むようになります。

目次を作れば、1冊の設計図が完成する

1冊分を書くために必要なのは「全体の設計図」です。設計図がないまま家を建てる人はいませんよね? 本も同じで、いきなり書き始めるのではなく、まずは目次を作ることが大切です。

目次とは、章ごとの流れや構成をまとめたもので、書く順番や内容が整理できるため「何を書けばいいのかわからない」という状態を防ぐことができます。例えば、導入部分では「なぜこの本を書くのか?」「読者に何を届けたいのか?」を伝え、中盤では「具体的な悩みの解決策」や「自分の経験や知識」をまとめます。そして終わりには「本を読むことでどんな未来が待っているのか」を示すことで、自然と1冊分の流れが完成するのです。

「書くことがない」と感じたら自分の経験を振り返ろう

「自分には書くことなんてない」と感じる人ほど、自分の経験を過小評価しているものです。でも、あなたがこれまで生きてきた中で得た知識や乗り越えた経験は、必ず誰かの役に立ちます。

そこで試してほしいのが「自分棚卸し」です。過去の成功体験や失敗談、困難を乗り越えたエピソード、友人や知人からよく相談されることなどを、紙に書き出して整理してみましょう。一見、何でもないと思えることでも、他の人にとっては貴重な情報になることが多いのです。例えば「時間管理が苦手だったけれど、工夫して克服した方法」や「仕事と家庭を両立するための考え方」など、小さなことでも積み重ねることで、1冊の本に十分な内容となります。

書きながら考えない。書く手順は「分ける」のがコツ

本を書くときに「最初から完璧に書こう」とすると、手が止まってしまいます。執筆には段階があり、一度にすべてを終わらせようとしないことがポイントです。

まずは「アイデア出し」を行い、書きたいことや伝えたいテーマを箇条書きで書き出します。その次に「執筆」に取りかかり、とにかく一気に書き進めることを意識しましょう。この時点では文章の完成度は気にせず、後から直せばいいと割り切ることが大切です。そして最後に「推敲」を行い、書き終えた原稿を見直して修正する。この3つのステップに分けて進めれば、途中で行き詰まることなく書き続けることができます。

1冊に詰め込まず、小さなテーマでまとめる

「1冊で全てを書かなければならない」と考えるとハードルが高くなってしまいます。しかし、1つのテーマに絞ってシンプルにまとめることで、内容が深まり、読者にとっても分かりやすい本になります。

例えば「朝5分でできる習慣術」や「30代から始めるお金の管理法」など、小さな問題を1つずつ解決する内容であれば、短い本でも十分価値を感じてもらえるのです。むしろ、情報が詰まりすぎていない方が、読者にとっては読みやすく、役に立つ本になります。

読者に話しかけるように書いてみる

本を書くと「立派な文章を書かなければならない」と意識しすぎてしまうことがありますが、そんな必要はありません。友人や知人に話しかけるつもりで書いてみると、自然とスムーズに文章が出てくるようになります。

例えば「ねえ、これ知ってる?」や「こんなことで悩んでいませんか?」といった口調で始めれば、読者も親しみを感じやすくなり、読み進めやすくなります。

事例や体験談を入れて説得力を増そう

内容に厚みを持たせたいときは、事例や体験談を盛り込むのが効果的です。自分自身の経験や身近な人の成功・失敗エピソードを紹介することで、読者は「この人の言っていることは信頼できる」と感じるようになります。

まとめ:完璧を求めず、まずは書き切ることを目指そう

「1冊分を書くこと」は、最初は難しく感じるかもしれません。しかし、たった1人の読者に向けて、目次を作り、自分の経験を振り返りながら少しずつ書き進めていけば、必ず形になります。

最初から完璧を目指す必要はありません。まずは書き切ることを目標にしてみてください。その一歩が、あなたの「著者デビュー」へとつながるのです。

あなたの知識や経験は、きっと誰かの役に立ちます。さあ、今日から1ページずつでも書き始めてみませんか?

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この記事を書いた人

Kindle出版プロデューサー。
35冠の電子書籍を発行。5冊の自筆本を出版し、プロデュースも手がける。

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